Episode13 Hello, Elliot
【ざっくりあらすじ】最終話
犯罪の痕跡を消したエリオットはアンジェラとの結婚式に備え、“彼”のタキシードに着替える。ミスターロボットは「お前と“彼”は違う」と指摘するが、エリオットは奪った“彼”の人生を手放すつもりはない。
真実
「うまくいかない」と言うミスターロボットの忠告通り、エリオットの望むように事は進まない。“彼”の遺体が入った段ボールを車に運ぶエリオットは、警官のドムに止められる。消防車の専用車線に駐車したエリオットの言い訳に耳を貸さないドムは、エリオットが提示した“彼”の身分証に納得せず、箱の中を見せろと迫る。血が流れだす箱の中身を確認したドムが驚くと同時に激しい揺れが起き、エリオットはその場から逃げ去った。
「説明を聞け」と訴えるミスターロボットを無視し、エリオットは結婚式をあげるコニーアイランドのビーチへ向かう。しかし、式を待っている客人は“f・ソサエティ”の仮面をつけ、アンジェラだけでなくプライスもエミリーもいない。エリオットにいつものパーカーを着せたミスターロボットは「これはお前が作った世界だ」と、説明を始めた。
エリオット
この世界は、エリオットが本物の“彼”を閉じ込めるため作った“監獄”だった。ミスターロボットは“彼”の解放を求めるが、“彼”を殺したエリオットは理解できない。混乱するエリオットはやっと会えたアンジェラに「あなたは“エリオット”じゃなく“黒幕”よ」と指摘され、不具合を起こす。倒れたエリオットに“お願いだから起きて”と囁くダーリーンの声が届き、目覚めると、そこはクリスタのオフィスだった。
突然、別の場所で目覚めたエリオットは動揺しつつも、目の前にいるクリスタが本物ではないと気づく。「あなたの信用を得るには、彼女の姿が一番」と説明した偽クリスタは、エリオットの解離性同一性障害について語る。
子供のころ、“彼”が窓から飛び降りた時、保護する存在のミスターロボットが生まれ、次に迫害者の母親と虐待を身代わりしてくれる少年エリオットの人格が生まれた。そして1年前、“彼”の未来を守るため怒りを背負うフード姿のエリオットが生まれたのだ。“彼”を閉じ込めた世界にダーリーンが存在しない理由は、ダーリーンが“彼”と現実の唯一の接点だからだった。
自分の居場所
“彼”に人生を返すことを拒んだエリオットが目覚めると、そこは病室だった。安堵した様子のダーリーンの手を握ったエリオットは「これは現実?」と質問し、ダーリーンは“現実”だと教える。発電所の爆発はホワイトローズのマシンのもので、ホワイトローズの死体も発見されている。メルトダウンを阻止したエリオットは、特殊な部屋にいたため助かったのだ。
嬉しそうなダーリーンを見たエリオットは本当のエリオットではないと打ち明けるが、ダーリーンはエリオットが別人格だと知っていた。f・ソサエティ設立時から別人格だと気づいていたダーリーンがエリオットのそばに居続けた理由は、苦しみを抱える兄のもとを離れた罪悪感があったからだ。「兄貴のことを考えない日は1日もなかった」と涙を流すダーリーンは、本物のエリオットを心配している。
ダーリーンと“彼”の絆の強さを知ったエリオットは、“彼”を閉じ込めた安全な世界は完璧ではなかったと悟る。“彼”の人生にはダーリーンが必要で、ダーリーンにも“彼”が必要なのだ。“彼”に人生を返す決心をしたエリオットは、ダーリーンに“愛してる”と告げた。それは、たとえ“彼”の一部であっても兄としてダーリーンを愛したエリオットの別れの言葉だった。
エリオットはミスターロボットたちとともに自分の居場所へ戻り、目覚めた本物のエリオットにダーリーンが声をかけた。
おちゃのま感想
ほう~、終わった~。
ラスト2話は、ひとつの物語として見ないと!でしたね。納得と感動のフィナーレで、大満足です。面白かった~!
このファイナルシーズンはシーズン1のように、エピソードそれぞれが秀逸で、想像を超えた展開に、お決まりの大どんでん返しも楽しめました。(ハラハラしたけど~)
物語の主役だったエリオットは、本物エリオットの脇役だったわけですが、やはりずっと見てきたフードエリオットに愛着を感じてます。フードエリオットは本物エリオットの怒りを引き受けたと説明されてましたが、それだけでなく優しさや愛情も持ち合わせていましたよね。
エリオットとダーリーンがした世直しはすべて現実で、アンジェラや仲間が死んだことも現実でした。その辺を曖昧にせず、きちんと描いてくれた点もよかったです。これで、すっきりと『ミスター・ロボット』とお別れできます。もやっとしたものが残るとすれば、タイレル一家のことくらいです。
エリオット役のラミ・マレック(Rami Malek)に注目が集まるドラマでしたが、エリオットありきのドラマではなく、脚本、演出、音楽と、作品全体が素晴らしかったです。特にファイナルシーズンは、毎回わくわくした気持ちであらすじを書くことができました。読んでくださったみなさまも同じだといいな。ラストまでお付き合いくださり、ありがとうございました。