
Episode22 Raymond Reddington (No. 00): Good Night
【ざっくりあらすじ】ハドソンに首を撃たれたデンベは重症だった。近くにある介護施設にデンベを運んだレッドは、医師が到着するまで自分の血を輸血することでデンベの命を繋ぐ。一方、ハドソンを射殺したレッドがデンベを連れ去ったと知ったニクソンの怒りは、クーパーたちチームに向けられる。
レッドの行方
デンベを含めチーム全員レッドの一味だと決めつけるニクソンの勝手な思い込みは、身動きがとれず車内から一部始終を見ていたイシュウッド捜査官が否定する。一方、ハドソンに撃たれたデンベを心配するチームは、近くの介護施設にいると突き止める。デンベのもとへ向かうチームにニクソンも同行するが、すでにレッドは消えていた。
デンベを治療した医師の話から、かなり具合が悪そうだったレッドが「旅に出る」と言っていたと判明する。絶対安静で意識が戻らないデンベから話を聞くことはできず、レッドを探すチームとニクソンは“郵便局”に戻るが、復讐と疑念に執着するニクソンは「レッドを見つけたら処刑する」と断言し、それを聞いたハービーはチームを去る。
冷静さを失っているニクソンと対立しながらも、任務を遂行するチームはレッドの行方に見当をつける。レッドが仮住まいにしていた公衆浴場に手がかりは残されていないかに思えたが、レッドの“お宝ガレージセール”を手伝ったシーヤは牛の角が入った袋が消えていることに気づいたのだ。それは、レッドが重要と話してた闘牛イスレロの角だった。
物語の終わり
意識が戻ったデンベによると、イスレロはレッド憧れの闘牛士マノレテを殺した闘牛だ。大盤振る舞いのガレージセールを開催したレッドの目的は、苦労して手に入れた“お宝”を本来の持ち主のもとへ返すことだったことから、チームはレッドが向かった先はイスレロの故郷だと特定する。
イスレロの故郷スペインへ飛んだレスラーは、デンベの情報をもとにレッドを探す。レッドの旧友が所有するヴィラを訪ね、市場で聞き込みをし、レッドを追ったレスラーは、変わり果てた姿で横たわるレッドを見つける。電話でアグネスに“母”のような助言をし、デンベの無事を確認したレッドは信念に従い旅立ったのだ。
おちゃのま感想
レッドの最後は、(デンベ曰く)“常に闘うことを選んで生きていた”というレッドの生き様を象徴するシーンでした。なので、不自然に思える闘牛は、何らかの意味を示唆したものだったのかな?と。闘牛と対峙したレッドの目には、あの日、自分を殺すはずだったリズが映っていたのだろうか?・・・とか。それとも、闘牛のように本能のまま生きたという意味だったのか?・・・とか。その答えは視聴者それぞれに託されたわけですが、わたしはリズの姿だと思いたいです。ある意味、リズもレッド同様、常に闘うことを選んだ人生でした。
とはいえ、自分としては、複雑な人生を送ったレッドの明るい側面や、クーパーたちのその後も見せてほしかったです。余韻に浸ることもなく、感傷的にもならず終わったことで、寂しさや虚しさが残ったのは、残念です。
ファイナルシーズンを振り返ってみると、あっけなさは否めないけど偽郵便局でウージンを仕留めた件はレッドらしさがありました。また、チームを使って犯罪帝国を店じまいした件も終焉らしい流れでした。ファイナルからの参加になったシーヤとハービーも期待以上にチームに馴染んだし、特にアラムロスを埋めてくれたハービーはすっかりお気に入りです。
レッドの物語の結末を消化するまで、しばらく時間がかかりそうですが、いま思ってることは『ブラックリスト』という作品に出会えてよかったということです。このドラマがスタートした当初、まだ海外ドラマ初心者だったこともあり、面白さに気づくまで随分と時間がかかってしまいましたが、壮大なスケールの謎をテーマにした『ブラックリスト』にハマり、ワクワクしたりハラハラしたり、ときに心を痛めたり・・・。忙しく感情を揺さぶってくれたことに感謝しかありません。
長い間おつきあいくださったブラックリストファンのみなさま、ありがとうございました。カタリーナ・ロストヴァから始まった壮絶な物語も終わりです。娘リズを愛するあまり選んだ、カタリーナの別の人生。レッドとともに穏やかな眠りについた彼女に思いを馳せながら、わたしのブラックリストの旅を終わりにしたいと思います。