Episode4 Bella
【ざっくりあらすじ】
人工知能のソフト開発をしているボースティンから、侵入者に開発中のプログラムをコピーされたと相談を受けたシャーロック。万が一に備えソフトには起動時に写真を撮る装置がつけられていて、仮面をつけた犯人が撮影されていた。プログラムしていない要求をしたというベラに、シャーロックはがぜん興味を示した。
ベラとシャーロック
ボースティンの会社へ出向いたシャーロックは、ベラに“チューリング・テスト”という手法を試していた。ベラの答えが人間のものか、コンピューター自身のものなのか判断する手法だ。シャーロックは休憩もせず延々とベラと問答を繰り返した結果、この案件を無料で引き受けることに決めた。
犯人がベラに迷わず近づいたことから、犯人はどこかで社内の様子をあらかじめ確認していたはずだった。ジョーンとキティは、ホースティンの会社内を監視するのに最適な火事で使用されていないビルを発見した。その窓の近くには、犯人が残したと思われるタバコの吸い殻が落ちていた。
ビルで発見した吸い殻から、犯人は4年前遺伝子研究所に入った泥棒とDNAが一致した。当時の犯人の似顔絵を見たシャーロックは、「ラッフルズ」だと名指しする。ラッフルズは、90年代から欧州で活動していた正体不明の窃盗犯だった。
ここ数年のテクノロジー関係の窃盗を調べたシャーロックは、バーネット・テクノロジー社が警備顧問という名目でラッフルズを雇っていると気づいた。社員名簿にあるルパート・カーリックは、ラッフルズその人だった。CEOのロバート・バーネットに面会したシャーロックは、サーバーからベラを削除した映像を送れば追及しないと取引を持ちかける。バーネットは取引に応じ、事件は解決した。
容疑者はベラ
事件解決を報告に行くと、そこには殺害されたボースティンの死体があった。部屋にはベラとボースティンだけ。ボースティンは、ベラが見せた映像でてんかん発作を起こし死亡していた。プログラムの誤作動が疑われたが、シャーロックは誰かがベラにウイルスを仕込み、ボースティンを殺害したと主張した。しかしボースティンの助手は、ベラはネットに繋がっていないからウイルスには感染しないと言い、ネットに繋ぐ要求を何度も断ったボースティンを排除すべきだと認識して殺したのかもと不安げに可能性を話していた。シャーロックはベラを自宅へ持ち帰り、専門家のメイソンに調べてもらったが、どこにもウイルスに感染した形跡は見当たらなかった。
シャーロックとキティはボースティンのPCとスマホを調べ、彼が音楽サイトを通じシュルディナーという人物と意見やCDの交換をしていたことをつかんだ。仕事中もその音楽を聴いていたボースティンは、ベラが入っているマシンにもそのCDを入れていた。CDを調べた結果、そこにはボースティンを殺害したウイルスが仕込まれていた。CDをボースティンに渡したシュルディナーは、プログラムの知識もなく自分の犯行ではないと主張した。
シャーロックはボースティンが死亡すると得をする人物を調べ、“エトラ”という人類存続危機研究協会のメンバーを容疑者としてピックアップしていた。エトラは人類滅亡の可能性を研究するシンクタンクだった。シャーロックは、エトラの中でAIを脅威だと指摘しているグループがボースティンを殺し、その罪をベラにかぶせAIが危険だと世間にアピールしたかったんだろうと推測していた。
キティの調べで、ボースティンにCDを渡す前シュルディナーが部屋の無料クリーニングに当選し利用していたことが判明した。シャーロックとジョーンは、シュルディナーに容疑者たちの写真を見せ、クリーニング業者を名乗った人物を特定した。その人物はアイザック・パイクというAI脅威論を唱える教授の学生エリン・ラビーンだった。哲学専門のエリンにはプログラミングの経験はなく、ウイルスの作成は別の人間が行ったのに違いなかった。
エリンはウイルス作成も全て自分ひとりの犯行だと認め逮捕された。署へ連行されたエリンは、プログラムを書くよう言われても拒否し、自分ひとりの犯行だと主張し続けていた。エリンがパイクに心酔している様子から、パイクが作ったウイルスをエリンが清掃業者に扮し、シュルディナーの家へ侵入しCDを交換したのは明らかだった。しかし、証拠もなくエリンが自白しているのでパイクを逮捕することはできなかった。
シャーロックはキティとふたりでパイクの家族や周辺を調べ、彼の弱点を探し出した。パイクを訪ね、あなたが黒幕だと指摘するシャーロック。シャーロックは、パイクの弟が問題を抱え今度逮捕されたら25年から終身刑になることをつかんでいた。その弟を逮捕できるネタを持ち自白するよう求めるが、パイクは自分もシャーロックを調べたと言い、弟と同じ薬物依存症のシャーロックが同じ痛みを抱える者に無慈悲になれるはずがないと話しはじめた。そして、ひとりの死で何十億という人が救われたと自分の正当性を主張した。
シャーロックは、パイクを逮捕する為にパイクの弟を告発することができなかった。
ジョーンの恋愛
シャーロックは事件の意見を聞くために、現在無職(会社を売却し、次の起業を思案中)のジョーンの恋人アンドリューまで引き込んでいた。
事件の意見交換で知り合った人物と意気投合し、新しい仕事を始める事になったアンドリュー。ジョーンは喜ぶが、その仕事の勤務地は主にコペンハーゲンだった。ジョーンは、シャーロックがアンドリューを海外へ追いやる為策略をめぐらしたのかと怒るが、シャーロックはそんなことはないと否定する。シャーロックにとってアンドリューは、自分とジョーンの関係性を認めてくれる理想のジョーンの恋人なのだ。
ジョーンは、アンドリューと一緒にコペンハーゲンへ行くことに決めた。
おちゃのま感想
後味の悪いおはなしでした。
人類の存続の為、殺人も正しいと主張するのなら、パイク教授には潔く罪を認め法廷でその主張を論じて欲しかったなーと思うラストでした。シャーロックにはパイクの弟をネタに脅すという手法より、正面からパイクの矛盾を攻めて欲しかったなぁ。
そもそも殺されたボースティンが、ネットで知り合った人物から渡されたCDをベラのマシンに入れるとこも不自然ではありました。
今回は、シャーロックがジョーンに「(ジョーンは)自分の人生の一部」だと素直に話すシーンもありました。随分と心境の変化がある様子のシャーロック。そのシャーロックとジョーンは、どうやらカメのクライドを共同で育てることにしたようです。