今月は「これは怖い!」と震えあがった『見せかけの日々』をピックアップします。観終えたばかりで衝撃が強く、ほかのドラマを思いつきませんでした。そんなわけで、じめっとした季節に鬱々とするドラマをどうぞ…。
『見せかけの日々』(原題『The Act』)は、2005年に起きたディーディー・ブランチャード殺害事件をもとにしたフィクションで、ディーディー・ブランチャードを演じたパトリシア・アークエットが第71回エミー賞のリミテッド・シリーズ部門助演女優賞を獲得し、ディーディーの娘ジプシー・ローズ・ブランチャードを演じたジョーイ・キングも主演女優にノミネートされた秀作です。
ドラマの基になった事件の内容は、長年、母ディーディーによって虐待を受けてきたジプシーが、ネットで知り合った恋人ニックとともに母を殺害するというもので、物語は事件発生の7年前、慈善団体によって建てられたミズーリ州スプリングフィールドの小さな家に、多くの難病を患う車いすの少女ジプシーと、献身的に娘に尽くすディーディーの母子が引っ越してくるところから始まります。
見どころは、娘を支配することがすべてのディーディーの鬼気迫る様子と、母の欺瞞に気づくと同時に、詐欺に加担していると自覚するジプシーの中に蓄積されてゆく殺意です。世間と隔絶し、栄養チューブでの食事や車いすでの生活を強要し(実際は口から食べれるし、歩行もできる)、実年齢より下だとジプシー本人にも信じ込ませた母ディーディーの娘を支配するための手段も壮絶ですが、自由を求めながらも母と共依存の関係にあるジプシーが考えた策略も陰惨です。ディーディー殺害の実行犯であるニックを操ろうとしているかのようなセリフや逮捕後のジプシーの様子は、同情を引くことで世間を欺き続けた母ディーディーを彷彿とさせ、実話ということを忘れ、ホラーを見ているかのような気持ちにさせられたドラマです。(AmazonチャンネルのSTARZPLAYにて配信中)
感想の記事はこちら↓
配信などの情報は記事作成時のものです
更新かキャンセルか、発表の季節になりましたね~。個人的に大ショックだったのは『プロディガル・サン』のキャンセルですが、それとは別に馴染みのドラマで主要なキャラを演じてる俳優さんの降板ニュースが多いように感じ、寂しい気持ちになっております。
さて、お知らせもアップしましたが、長い間、悶々としてたタグの見直しと、PCサイトで画面上部に表示してるグローバルナビの【シリーズ終了ドラマ】を別ページに表示するように変更しました。各記事にふってあるタグも見直しが必要かと思ったのですが(“Crime”とか“Drama”とかのタグ)、記事数が多くて今回は断念しました。今後は、思いついたものがあれば随時つくってゆく予定です。(“タイムトラベル”を新たに追加)
そして、トップページの新着記事と人気記事の表示を少し変更しました。こちらはモバイルでの表示を意識したので、PCサイトではやや違和感ある表示になってしまいました。今後もアイデアやリニューアル熱が湧きあがれば、手を加えてゆこうと思います。