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ノーマル・ピープル~ふつうの人々~ 10~12【あらすじ感想】

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Normal People
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Episodes10~12

【ざっくりあらすじ】
ダブリンで新年を祝うコネルに訃報が届く。高校時代の友人ロブが自殺したのだ。ロブの死は別々の道をゆくコネルとマリアンを再び結びつけた。

 

 

 

 

 

かけがえのない友人

ロブの死をきっかけに、うつ状態になったコネルのもとをヘレンは去り、スウェーデンにいるマリアンはスカイプを通じコネルに寄り添った。

 

 

ナイルが勧めた学生向けの無料カウンセリングを受け始めたコネルは、最後のメッセージに返信しなかったロブへの罪悪感や、ずっと思い悩んでいた孤立感を打ち明ける。多くの友人に囲まれていた高校時代も、新しい人生が送れると期待した大学でも、コネルは孤立感に苦しんでいたのだ。

 

 

カウンセラーに苦しみを吐露したコネルの心は少しずつ軽くなってゆく。マリアンは孤独に闘うコネルを見守り続け、コネルは改めてマリアンの大切さを痛感した。

 

 

 

マリアンの悲しみ

夏休み。故郷スライゴの実家に帰省したマリアンは相変わらず兄アランの暴言を浴びるが、コネルに打ち明けられるようになったことでやりすごしている。一方、順調に回復しているコネルは週末ごとに帰省し、マリアンと過ごす。

 

 

求めあう気持ちを抑えきれないふたりは以前のように関係を持つが、ぶってほしいと言うマリアンにコネルは応じることができなかった。動揺し、自宅へ戻ったマリアンを待っていたのは、いら立つアランだった。「“うつ”のコネルとは付き合うな」と威圧するアランが乱暴に開いたドアでケガをしたマリアンは、コネルに助けを求める。

 

 

「鼻が折れたかも」と血を流しながら説明するマリアンを車に乗せたコネルは「マリアンを傷つけたら、お前を殺す」とアランに宣告した。それは、コネルが初めて見せた怒りだった。騒動を知りながらも、マリアンの母はリビングから出てこようともせず、車に戻ったコネルは「もうこんな目には合わさせない」とマリアンに約束した。

 

 

 

新たな道へ

ダブリンに戻ったふたりは恋人として支えあい、信頼できる友達に囲まれている。穏やかな日々を送るふたりに、再び分岐点が訪れる。コネルが教授の勧めで応募したニューヨークの大学院に合格したのだ。

 

 

ニューヨークの件を先送りにしたふたりは、クリスマス休暇をコネルの実家で過ごす。コネル家の人々の温かさに触れる一方で、マリアンは街で偶然出会った母に無視されてしまう。母との関係は変わらないが、新年のパーティーで再会した高校時代のクラスメイトたちはマリアンを歓迎した。そこにコネルとマリアンをからかう者などおらず、ふたりは周囲を気にすることもなく心のままにキスをした。

 

 

休暇が終わり、ダブリンに戻ったふたりは、マリアンの部屋を片づける。マリアンの母は、娘の誕生日に祝いの言葉ではなく部屋の鍵の返却を求めたのだ。ガランとした部屋に座ったふたりはコネルのニューヨーク行きについて話し合う。

 

 

「ずっと考えてるけど、困難を乗り越えたから今年は普通に暮らしたい」というコネルの気持ちを理解しながらも、マリアンは作家になる絶好のチャンスだと強く勧める。コネルは「一緒に行こう」と提案するが、ダブリンに自分の居場所を見つけたマリアンは断った。

 

 

別々の道を選んだふたりは、これまで支えあった時間と互いへの深い愛を心に刻み、静かに涙を流す。未来の約束もなく新たな人生のページを開くと決めたマリアンは「心配ないわ」と穏やかに言い、重ねたコネルの手にそっとキスをした。

 

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おちゃのま感想

5.0

 

ふたりを結びつけたのが旧友の死というのは少し心が折れそうな件でしたが、コネルが心のうちをさらけ出すきっかけになりました。マリアン以上にコネルの内面は複雑で、周囲に馴染めない違和感をずっと抱え苦しんでたんですね。大学1年のとき、マリアンの隣で孤独を忘れ、幸せを感じていたコネルが「泊めてほしい」と言えなかった気持ちを想像すると、いまさらながら胸が苦しくなります。

 

一方、コネルに“ぶって”と言ったマリアンも辛かったです。あの家庭で育ったマリアンにとって、“愛”=“痛み”なんですね。なぜジェイミーやペギーと付き合ったのかと不思議に思ってましたが、彼らとの関係は心に痛みを伴うものだったから…と、自分なりに納得しました。

 

高校時代~大学時代と描かれたふたりの物語は、次へのステップへ進むところで終わりました。コネルはNYへ旅立ち、マリアンは自分の居場所を見つけたダブリンに残ることに。ふたりの物語の続きをいつか見たいと思わせる余韻のラストでした。何の約束もせずに離れることになったふたりですが、それはふたりの将来を見据えたマリアンの賢さなのだと感じてます。思い描く人生を送れず破たんした家族を見てきたマリアンにとって、今は離れたとしても、いつかまた一緒になる日まで互いの道を邁進しようという深い意味があるのだと受け止めております。

 

それにしてもこのドラマの主人公、コネルとマリアンを演じたふたりが素晴らしかったです。脚本や演出の力もあるけれど、このふたりなくしては伝えられない空気がありました。そして、物語の焦点を主人公のふたりだけに絞った点もよかったです。マリアンの家族のことや、亡くなったロブのことや、周囲の人々のことは掘り下げず、マリアンとコネルの視点からブレなかったことで、ふたりの情感がストレートに伝わってきました。

 

ハッピーエンドでなきゃ!と思うわたしは、年を重ねたふたりが穏やかで温かい家庭を築いてる姿を想像したりしております。ドギツイシーンも多かったですが、不思議とその部分より、ふたりの繊細さが心に残ったドラマでした。
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