Episode1 A Wedding, A Funeral
コンラッドとニックが結婚式の準備をする中、誰も予想できなかった新型コロナウイルスの猛威がチャスティン公園記念病院を襲う。最前線で治療にあたるコンラッドたちだけでなく、手術がなくなった外科医のベルやヴォスもERやICUを手伝う。パンデミック下での懸命な闘いが続く一方で、チャスティンは深刻な経営難に陥っていた。
チャスティンの危機
チャスティンでの新型コロナウイルス最初の患者は、感染が広がりつつあるシアトルに住む祖母に会いに行った男性だった。男性の心肺蘇生をしたベテラン看護師のハンドリーが感染し、数日後には爆発的に感染者数が増加した。
医療の現場が深刻な事態に陥る中でも、キムは利益を追求する。ケインが引き起こした院内感染の隠ぺいがリークされたうえ、パンデミックの影響で手術が激減したチャスティンは1カ月で4億ドルもの減収になったのだ。ベルたち外科医を集めたキムは手術の再開を求めるが、感染を恐れる患者たち自身が病院を避けている。
貴重な防護服や病床、人材を使う手術に反対するベルたちは、政府支援金の使い道も説明できないキムに背を向ける。孤立無援のキムは、院内感染の件で仲違いしたケインを頼り、ケインは「二度と俺を脅かすな。この病院の看板医師は俺だ」と手術に応じる条件を告げる。
キムとの取引に満足するケインは、さっそく椎間板ヘルニアの患者ベンに連絡をいれる。しかし、「急いで手術をしたほうがいい」と促されても、感染を恐れるベンはイエスと言わない。「外科は(感染の)心配無用」と断言したケインは、なにか起きれば不随になると脅し、強引に手術に同意させた。
命を守るもの
自宅で自主隔離していたハンドリーの症状が悪化し、ICUに入る。確かな治療法はなく、コンラッドたちが救う方法を模索する中、ハンドリーの傍でマスクの紐が切れたヴォスも発熱する。マスクや防護服は不足し、治療にあたるスタッフは同じものを使い続け、常に危険にさらされているのだ。
コンラッドはスタッフを守るようキムに直訴するが、資金難のチャスティンは物資の争奪戦に勝てない。差別される苦境を吐露したキムに同情しつつも、コンラッドは納得できない。「態度で示せ」とコンラッドに指摘されたキムは、独断でレッドロックの資金を使い、よそへ出荷済みの物資を取り寄せた。今も韓国に住む親戚を頼ったとコンラッドに説明するキムは、クビを覚悟する一方で、スタッフの安全を守ったことに満足している。
結婚式
新型コロナウイルスの大流行は終息し、待ちに待ったコンラッドとニックの結婚式。回復したハンドリーやヴォスも、持病あるコンラッドの父も、治療施設にいたニックの父も、みなパンデミックを乗り越えこの場にいる。
友人や家族の前で結婚の誓いをする前に、ふたりは新型コロナウイルスの犠牲になった仲間たちを追悼する。この場にいないデヴォンは、父の葬儀に向かっていた。デヴォンはタクシードライバーの父に働くのをやめるよう忠告したが、父は家計のため働き続けたのだ。
結婚パーティーを抜け出したミーナはオースティンを呼び出す。恋人のアンドレアを同伴してない理由を問われたオースティンは、アンドレアとは終わったと報告する。オースティンは「彼女はお前の代わりだった」と正直に打ち明けるが、師弟の絆を壊したくないミーナの気持ちを受け入れている。「心配するな」と言うオースティンに、ミーナはキスをする。“何も変わらない”と言いながら、ふたりは何度もキスをした。
おちゃのま感想
医療界の闇と闘う『レジデント』も例外ではなく、新シーズンはパンデミックで混乱する様子から始まりました。そういうわけで、前シーズンの院内感染問題や、ヴォスの義理の息子デレクのその後は描かれませんでした。ヴォスの様子から察するに、デレクは回復し、退院したのでしょうね。
現実の世界はまだパンデミックを抜け出してないので、冷静な気持ちで楽しむことはできませんが、撮影用の医療備品を地元アトランタの病院に寄付した『レジデント』の視点で描かれた物資不足の現状は、とてもリアルだったように感じます。世界が変わった状況でも、利益を追求しなければならない立場のキムが、命の危険に身をさらすスタッフたちを守ろうと決心したあたりも違和感なく、今後の展開に繋がるような内容でした。
アンドレアが登場しないのは残念ですが、ついにミーナとオースティンが!ついでにヴォスとベルも良い雰囲気になってます。明るい話題は必要ですもんね。さて、次回からは通常の『レジデント』になるのかな?ケインが強引に手術に同意させたベンの件は、新たな問題を引き起こすのでしょうか。