『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の原作である小説の中で、『侍女の物語』は発掘された古いテープに録音されたギレアデ国で侍女をしていた女性が残した記録で、研究される仮文書のひとつとして扱われています。
本編のオブフレッドの語る『侍女の物語』に続き、のちの時代のギレアデ研究者がこの文書について発言するという手法をとり、時代背景について推測を含む解説がされています。
そこで、その研究者たちのシンポジウムの内容から、この世界の背景を抜粋してみました。
(※ドラマでの設定は変わることもあると思うので、参考まで)
場所
『侍女の物語』のテープが発掘されたのは、今のメイン州あたり。
オブフレッドが居住していた場所というわけではなく、あくまで発掘された場所です。
語り手の女性(オブフレッド)
出産目的で集められた女性たちの第一陣のひとりと考えられている。
侍女の選別
ギレアデ政府は「人工授精」と「妊娠促進クリニック」は思想に反するため禁止したが、「代理母(侍女)」については合法とし、「出産可能な女性たち」を集めた。
「出産可能な女性たち」を確保するため、政府は「再婚の夫婦と未婚者はすべて姦通罪になる」と定め、女性のパートナーを逮捕するという方法をとった。その後、この法律は国教会で式を挙げなかったすべての既婚者にも適用された。パートナーを逮捕することで、女性たちの確保は簡単だったとされている。
侍女にされた女性たちの子供は政府に取り上げられ、子供のいない上流階級の夫婦に養子として与えられた。
子供が生まれなくなった理由
出産率の急落の原因は、はっきりとは解明されていない。一因としてギレアデ時代直前まで広く普及していた中絶を含むさまざまな産児制限方法にあると考えられる。
(想像するに、出生率が減少する以前の世界では人口増加問題があったようです。)
エイズを始めとする伝染病、各発電所の事故や閉鎖、有害廃棄物、規制のない化学殺虫剤や除草剤の乱用、そして人工的に作られた生殖能力を失わせるウイルス。などなど、多岐にわたり要因は考えられる。
司令官について
研究者たちは『侍女の物語』の語り手の名がオブフレッドだったことから、フレッドの名を手掛かりに調べ、『侍女の物語』に登場する司令官はフレデリック・ウォーターフォードだと考えた。
ウォーターフォードは、ギレアデの思想と社会構造を生み出したとされる「ヤコブの頭脳集団」と呼ばれる極秘集団の初期メンバーのひとり。
侍女たちが着る赤い制服や、公開処刑『救済の儀』を発案し、小母制度を実施した人物ではないかと考えられている。市場調査の仕事した経歴がある。
“小母”たち
女性たちを統制する最良で効果的な方法は、同じ女性によって統制させることだと考えられ、卓越した女性統制機関(小母)が作られた。
熱心なギレアデ信奉者だけでなく、特典が与えられる小母に喜んでなる女性は多く、中には「コロニー」への送還を免れるため小母になる者もいた。
コロニー
政府に不適格と見なされた人々はコロニーと呼ばれる場所へ送られた。
コロニーでは主に汚染物質の清掃をさせられ、人々は使い捨てられていた。運がよければ危険の少ない仕事を割り当てられることもあった。
反抗勢力
・メーデー
戦闘的な秘密組織
多くの秘密工作員をギレアデの支配階級層に潜入させた
・地下女性鉄道
純粋に救助活動を行う組織
海外の反応
カナダは隣国を敵にまわすことを恐れ、ギレアデからの亡命者を一斉検挙し引き渡しに応じていた。
イギリス諸島にはさまざまな女性擁護団体が多数存在した。
悪い評判をたてさせないために、ギレアデ政府は手段を選ばず亡命者の口封じに努めた。
ここまでドラマを見た印象では(シーズン1第4話まで)、小説を基に物語を膨らませていると感じる内容で、今後さらにドラマオリジナルな内容が描かれていくのではないかなと期待を込め、想像してます。
どんな形でシーズン1を終え次へ繋げているのか、とっても楽しみです。