Episode15 Up to Heaven and Down to Hell
【ざっくりあらすじ】
10階の自宅ベランダから資産家の老婦人ロザリン・グレアムが転落し、歩行者が巻き添えになった。隣人たちは徘徊するロザリンを見ており、認知症のため誤って転落した可能性もあった。ベル刑事とロザリン宅を調べたシャーロックは、足場になったソファーの裏にわずかについた血痕を発見した。ベルもまたロザリンの関節炎の薬が他の薬に変えられていることに気が付いた。
事件メモ
資産家であるロザリンには3人の子供がいた。数か月前ロザリンは全財産を愛犬に残すと遺言を書き換え、審問が開かれることになっていた。薬のすり替えは、相続人から外された医師である息子のアランが「判断能力がないと審問で証明するためにした」と認めた。
しかし、審問前にロザリンが死んだことで全財産は愛犬に譲られることになり、子供たちが得られるものはなかった。愛犬の世話をしているロザリンの遺産管財人の弁護士もシカゴへの転職が決まっていて、ロザリンが死んでも得をすることはなかった。
視点を変えたシャーロックは、ロザリンの死で高層ビルの建設が中止になった不動産王ハルに目を留めた。ハルはロザリンから空中権を買い取る予定だったが、ロザリンの資産が凍結されそれができなくなったのだ。法律上、ロザリンの空中権が買えないと隣接する空中権も買えず、ハルの高層ビル建設は頓挫することになった。
シャーロックは高層ビル建設に反対する人物を調べ、”ウエストサイドを守れ”という団体のリーダーのオニールが殺害されていたことを知った。オニールはロザリンが殺される5日前に事務所で殺害され、犯人は現金とPCを盗んでいた。警察は強盗殺人だと考えていたが、現場に残されていた靴跡をイタリア製の高級靴だと特定したシャーロックは、犯人の目的は現金ではなくPCだったと推理した。
オニール殺害もロザリン殺害もハルのビルで繋がったが、両者を殺す動機は相反している。公文書を調べたジョーンは、オニールが「ハル側の現場環境調査に問題がある」と、数か月前発言した資料を見つけた。まだ調査資料は提出されておらず、オニールには情報提供者がいたはずだ。
オニールの事務職員の目撃情報から、情報提供者はビルの設計者ブスケの文書係のリームだと判明した。リームはオニールへ内部資料を売ったことを認め、オニールが殺される前日ブスケにバレて解雇されていた。
事情を聴かれたブスケは、数週間後には公になる資料のために殺害する動機はないと主張し、リームを解雇したのは単に情報の流出を止めるためだと説明した。流出した資料の提出を求められたブスケは、企業秘密が含まれるとして令状を要求した。
シャーロックはブスケのオフィスから漏えいした資料を盗み、ブスケの設計ミスを発見した。計画通りの高さでは強風で倒壊する危険があったのだ。公表されれば、ブスケはハルのビルだけでなくこのあと控えている大きな仕事も失うことになるはずだ。ブスケは情報をつかんだオニールを殺し、設計ミスを公にせずビルの高さを変更するためロザリンを殺したのだ。
シャーロックとジョーンは、ハルにこのことを知らせ協力を求めることにした。ハルは63階建てのビルを40階にすることでロザリンの死による空中権問題をクリアし、新しい計画を発表していた。新しいビルを自分の遺産だと話していたハルは警察に資料を提出し、ブスケ逮捕に協力した。
グレグソンの恋
グレグソン警部には、交際を始めて1年経つ元警官のペイジという恋人がいた。ペイジには所属していたチームの汚職に巻き込まれ犯罪に加担した過去があり、ふたりの交際はペイジの希望で公にはしていなかった。捜査に協力し司法取引で警察を辞職したペイジは起訴されなかったが、ペイジは交際を隠すことにこだわっていた。
グレグソンとのデート中に偶然ジョーンに会ったペイジは、翌日グレグソンに別れを告げてしまった。事情を聞いたジョーンはペイジと会い、別れた理由は他にあると気が付いた。ジョーンに「真実をグレグソン警部に話してあげて」と言われたペイジは、別れた本当の理由をグレグソンに知らせた。ペイジは多発性硬化症と診断され、これから始まる闘病の前にグレグソンとの別れを決意したのだ。
ペイジの病気について自分になりに調べたグレグソンは、ジョーンに助言を求めた。病気の深刻さを知るジョーンに言えることは、ただ「友達が支えになる」ということだった。
おちゃのま感想
1年くらいペイジと付き合っているということだったので、勘が鋭いシャーロックは気づいてたかもしれませんね~。
このドラマはシャーロックとモリアーティの関係に始まり、登場人物の恋愛については悲しい流れが多いです。
せめてベルやグレグソンの私生活は幸せで楽しいものであってもよさそうなのだけど、なかなかそういうふうにはなりませんね(>_<)