原題:Westworld
作品データ
- ジャンル:SF
- シーズン:3(継続中)
- エピソード:(継続中)
- 主な舞台:パーク(架空)
- アメリカでの放送:2016~
- メモ:シーズン2まで視聴済
ストーリー
体験型テーマパーク“ウエストワールド”は、死を恐れることなくリアルなバイオレンスを体験できる場所だ。高額な入場料を支払った客を迎えるホストと呼ばれるアンドロイドたちは、人間のように感情を持ち意思があるかに見える。しかし、彼らは記憶の消去を繰り返し、シナリオに基づいて管理されている。
パークを訪れる人間たちは報復されることなく暴力や殺戮が許される。パークの絶対的なルールは『人間は殺されない』だ。一方、殺されたアンドロイドたちは記憶を消され、何度も繰り返し現場へ戻される。しかし、ある日、アンドロイドの中に自分にないはずの記憶に戸惑う者が現れた。
おちゃのま感想(シーズン1)
JJエイブラムス、ジョナサン・ノーラン、音楽担当ラミン・ジャヴァディ。そしてテーマが人工知能。『パーソンオブインタレスト』を意識せずにはいられませんが、『ウェストワールド』で描かれたテーマは“人間の本性”だったかな・・・と思います。
このドラマ最大のポイントは、豪華な俳優陣です。アンソニー・ホプキンス演じるフォードの存在感も抜群だったけど、何より素晴らしく感じたのはエヴァン・レイチェル・ウッド演じるドロレス(アンドロイド)でした。ないはずの記憶に混乱する姿や、意志を感じる瞳の人間らしい側面と、アンドロイドとしての無機質な姿の演じ分けは見事でした。ジミ・シンプソンの(来園者の)ウィリアム役も、また良かったです。この俳優さんの持つやわらかい雰囲気と、悩み抱える善良な青年役がハマっていました。
ストーリーは大きくわけて
・黒服の男(人間)
・農場の娘ドロレス(ホスト)
・娼館の女主人メーヴ(ホスト)
・ウェストワールドを運営管理する人間たち(アンソニー・ホプキンス演じるフォードなど)
に分かれていたと思います。それぞれのストーリーが平行して進んでいるように見えるのですが、これは過去と現在が入り混じって描かれていたとラストで判明します。最終話でバラバラしていた事柄が繋がり・・・ストンと納得できる展開になってました。
自分にないはずの記憶に気づき始めたドロレスやメーヴに変化が現れ、それぞれシナリオにないはずの行動を取り始めます。アンドロイドに自我が芽生えた・・・と思う展開なのですが、これは極秘にフォードがプログラムしていたシナリオでした。パークを運営する株主たちに対する反乱を、創設者であるフォードは密かにすすめていたのでした。
フォードの新しいシナリオでは『ホストは人間を殺さない』という絶対的なルールがありません。新しいシナリオの最初のシーンはドロレスがフォードを殺し、人間たちに銃を向ける場面から。フォードはドロレスに自分を殺させることで、絶対的なルールが存在しなくなったと証明して終わりました。
「え!あんたもアンドロイドだったの!」なバーナードや、初来園のウィリアムがドロレスと恋に落ち、その後パークに憑かれた人生を送り“黒服の男”になったという衝撃の事実もあり・・・真実を見極めるのが難しいドラマでした。“神の創造”的な視点のドラマでもありますが、それよりも人間的な“愛”や“欲望”といったものを感じる作品です。