原題:Special
作品データ
- ジャンル:半自伝的コメディドラマ
- シーズン:2(終了)
- エピソード:16
- 主な舞台:?
- アメリカでの放送:2019-21
- キャスト:ライアン・オコンネル(ライアン)、ジェシカ・ヘクト(ライアンの母カレン)、プナム・パテル(キム)
- メモ:最終話まで視聴済
- 評価:
ストーリー
主演、脚本、製作総指揮を務めるライアン・オコンネルの自伝を基にしたドラマ。
軽度の脳性まひでゲイの青年ライアンは、軽度ゆえ障がい者の輪にも入れず、恋愛も未経験。28歳になっても何も成し遂げていないと感じ、自分のアイデンティティにも思い悩むライアンに転機が訪れる。憧れのライターへの第1歩となる『eggwoke』でのインターンが決まったのだ。
さっそく、過保護な母カレンからの独立を決め、意気揚々と新生活を始めたライアンだが、職場ではあるがままの自分をさらけ出せず、ひとり暮らしの生活には母の助けが必要だった。理想とかけ離れた現実を思い知るライアンは、『eggwoke』イチの売れっ子ライターのキムと親しくなる。一方、子離れできない母カレンも、自分の人生を見直し始める。
おちゃのま感想
シーズン1は1話15分程度、シーズン2は1話30分程度と、サクッと楽しめるボリュームで、製作総指揮には『ビッグバン☆セオリー』のジム・パーソンズも名を連ねております。
ざっくりした内容は、軽度ゆえ障がいを公言できなかったライアンが、あるがままの自分を受け入れ、成長していく様子を描く作品です。LGBTQやマイノリティな背景がテーマとなっており、奥深い内容をコメディタッチに描き、主人公ライアンの雰囲気もあいまって、親しみやすいドラマでした。
職場では、誤解されたまま交通事故のせいで体が不自由になったことにしてしまうライアンですが、その性格は裏表がなくピュアそのもの。仕事、家族、恋愛と、ライアンが抱える悩みは等身大で、赤裸々なライアンの姿に自然と引き込まれてゆきました。
ライアンの物語と切っても切り離せないのが、ライアンを溺愛する母カレンです。ある意味、共依存状態のふたりの親子関係がいびつなものに感じないのは、ライアンの天真爛漫な笑顔と、カレンが醸し出すとらえどころない雰囲気のたまものだと思います。特にカレン役のジェシカ・ヘクトさんは、演技初挑戦のオコンネルさんの全力投球の演技をうまくカバーし、ライアンとカレンの強い絆の根底にあるふたりが歩んだ道のりさえ感じさせてくれました。
さて、ライアンを取りまく人間関係で忘れてはならないのは、『eggwoke』の先輩ライターで、ライアンの親友キムです。初出勤の日からライアンを気にかけたキムは、仕事の面だけでなく、私生活の面でもライアンの成長を支えた人物だといえます。良き理解者のキムを得たことでライアンの人生は大きく動き始め、恋愛に対しても積極的になってゆきます。
個人的に“ここが好き!”なポイントは、ライアンだけでなく、カレンやキムも自分の理想の人生を見つけるところ。立ち止まって、自分の歩んできた道を振り返り、自分自身を受け入れることで開ける未来がある。そんな希望を見せてくれました。コメディな側面を盛り上げる編集長オリビアの奇抜さも楽しく、ライアンが知り合うナイスガイたちも魅力をふりまいてくれた素敵な作品でした。