Episode1 Pilot
FBIプロファイラーのマルコムは、説得に応じかけたシリアルキラーを射殺した保安官を殴り、FBIをクビになる。20年前に逮捕された“外科医”と呼ばれるシリアルキラー、マーティン・ウィットリーを父に持つマルコムは今も父の悪夢に苦しみ、父を避け“マルコム・ブライト”と名乗っている。
外科医の模倣犯
故郷NYへ戻ったマルコムは家族に歓迎される。父が逮捕された時、5歳だった妹エインズリーはマルコムのようにPTSDに苦しむこともなく、現在はリポーターとして活躍している。一方、マルコムたちの母ジェシカは「こんな目に遭っても私は名前を隠さない」と言いながらも、薬とアルコールに逃げている。
母と妹はマルコムが殺人事件から離れたことを喜んだが、NY市警の“友人”ギルの求めに応じたマルコムは連続殺人事件にかかわることになる。3人目の被害者を見たマルコムは父の手口だと気づき、マルコムが指摘した場所に注射痕が見つかる。女性を麻痺状態にして殺す手口は、92年に父が4人殺した『カルテット』事件と同じだった。
『カルテット』の模倣犯だとすると、犯人はもうひとり殺すはずだ。動揺したマルコムを気づかいながらも、ギルは協力してほしいと頼む。プロファイリングすると応じたマルコムは3人の被害者の遺体を確認し、マルコムの指摘から、共通項がなかった被害者全員がSMの調教師であるニコ・スタブロスと繋がった。
刑事のダニとJTと共にニコの部屋に踏み込んだマルコムは、爆弾が仕掛けられた椅子に拘束されたニコの腕を切断することで、ニコを救う。一方、部屋から逃走した犯人はダニが追うが、見失ってしまう。犯人は調教師のニコを利用し被害者をおびき出していたのだ。
10年ぶりの再会
ニコは犯人の顔を見ておらず、さらにプロファイルを進めたマルコムは「40~50代の白人男性、髪がなく、ロマンチスト。動機は復讐。」と具体的な犯人像を示し、事件にのめりこんでいく。そんな中、ニコの部屋から父マーティンがスケッチした『カルテット』の手口が見つかり、父に会う必要があると判断したマルコムは『クレアモント精神科病院』へ向かう。富豪の支援者のおかげで、マーティンは精神科病院の中で尊厳ある囚人暮らしをしているのだ。
10年ぶりに息子と会ったマーティンは嬉しそうに話しかけるが、そっけないマルコムは模倣犯について追及する。マーティンが「事件についてのノートを外に出したこともないし、面会者もいない」と断言する一方で、マルコムは父の患者が犯人だと気づく。協力をしぶる父は息子の自分と会えなくなることを恐れていると見抜いたマルコムは「話せばまた来る」と提案し、マーティンは“カーター・バークヘッド”の名を教える。カーターはSMプレイの最中に心臓発作を起こし、マーティンの手術で助かった患者だ。
バークヘッドのビルではチャリティーイベントが開催されており、母の姿を見かけたマルコムは「手分けしよう」と、同行するダニに提案する。ひとりになったダニはカーターの妻ブレアに「ニコの件で」と声をかけ、ブレアは自室へダニを案内する。ブレアは「夫はアフリカへ行っている」と説明したが、その部屋には妻殺害を企むカーターが潜んでいた。
一方、意識の戻ったニコの情報でブレアが次の標的だと確信したマルコムが駆けつけると、銃をダニに向けるカーターがいた。妻殺害用にカーターが調合した薬が入った注射器を自分の腕に押し当てたマルコムは、“外科医”ことマーティン・ウィットリーの息子だと明かす。父のような人間を捕まえるためプロファイラーになった不詳の息子を殺すチャンスだと訴えるマルコムにカーターが従いかけたその時、ギルとJTが突入した。
マルコム
カーターを逮捕したものの、マルコムの素性を知ったダニとJTは戸惑いを隠せない。そんなふたりに、ギルはマルコムとの出会いを教える。20年前、子供の声で通報があったと知らせた警官のギルを部屋に招きいれたマーティンは、ケタミン入りのお茶でギルを殺そうとした。そのときギルに警告し、父を逮捕させたのはマルコムだったのだ。
カーターが“外科医”のスケッチを入手した方法を考えたマルコムは、父が仕組んだと結論を出す。約束を守り、再び父と会ったマルコムは「僕を呼ぶために事件を仕組んだ」と指摘するが、妄想が過ぎるとうそぶくマーティンは「殺しのことをいくらでも教えてやれる」と持ちかける。「お前を失いたくない」と訴える父に、マルコムは別れを告げた。
おちゃのま感想
苦悩する青年、マルコムを演じるトム・ペインの演技が見どころだった第1話でした。眠れず、食べれず、トラウマに苦しみながらも瞳の奥に狂気を感じさせるマルコム役に、細身のトム・ペインはピッタリ。周囲の登場人物の説明も簡潔でわかりやすく、好印象なスタートです。
見どころは、なんといってもマルコムとシリアルキラーの父との関係ですよね。今回のマルコムを見ただけの印象ですが、父が自分に及ぼす影響を恐れているとしても憎んでるわけじゃなさそうです。殺人鬼でありながらも、マーティンは良き父親だったのかな?
マルコム親子の関係とは別に、注目してるのは市警の刑事ダニとJTです。マルコムの素性を知ったふたりが、今後どんなふうにマルコムと接し、受け入れていくのか楽しみ。検視官のイドリサも良い味だしてました。(*^^*)