Episode16 Hounded
【ざっくりあらすじ】
資産家のチャールズ・バスカヴィルがランニング中に土手から落ち事故死した。熟知している場所での事故死に不審を抱いたチャールズの弟ヘンリーは、モーランドのつてでシャーロックとジョーンに調査を依頼した。ふたりが現場を調べると、ホームレスの目撃者が見つかり、チャールズは光る謎の大型動物から逃げていたことがわかった。
事件メモ
チャールズは遺伝子組み換えの企業に出資しており、そのラボにはクラゲのDNAを移植された光る大型犬がいた。しかし、犬はチャールズに懐いていたうえ、監視されているため事件の夜もラボにいたことが証明されている。
遺伝子操作に反対し脅迫メールを送っていた男から、遺伝子操作された軍用犬を作っているチャールズのライバル会社の存在が明らかになった。しかし、“強化軍用犬”開発は失敗し、軍も助成金を打ち切っていることがわかった。
チャールズは“特許ジャック”という手法で金のないスタートアップ企業へ投資し、その発明を奪っていた。特許ジャックが殺害の動機だとすると、被害者との話し合いに同席していたヘンリーも狙われる可能性がある。
シャーロックが電話で知らせていると、ヘンリーの屋敷に謎の光る大型動物が出現した。受話器から聞こえるうなり音を聞いたシャーロックは「プールの向こう側へ逃げろ」と指示し、警察とヘンリーの屋敷へ駆けつけた。謎の動物の正体は四足歩行の光るロボットで、プールへ落ちていた。
ロボットは、ヘンリーとチャールズのいとこであるロジャー・ステープルトンの会社が開発した歩兵の荷物運搬用ロボットだった。チャールズは特許ジャックで入手した特許のうち不要なものを売りさばき、それをロジャーが購入しロボットを作り上げていたのだ。
複数の技術を組み合わせて作られたロボットには、ミサイルのように自動追尾機能まで搭載されていた。事情を聴かれたロジャーや社員たちは、10台あるうち1台の行方がわからなくなっていたが、軍から止められ公表できなかったと説明した。
ヘンリーが亡くなれば莫大な財産を手にするロジャーに容疑がかかるが、ロジャーにはチャールズが殺された日もヘンリーが襲われた日も売春婦と一緒にいたというアリバイがあった。しかも、ロジャーは相続を放棄するためにベル刑事を殴ってもいいとまで話した。バスカヴィル家の遺産は、重罪犯は受け取れないという条件があったのだ。
シャーロックは犯人の狙いはバスカヴィル家の遺産だと確信し、家系図を調べた。しかし、ヘンリーとロジャー以外に遺産を相続できる人物はいない。遺言では「相続人がいない場合は婚外子に譲る」とされており、シャーロックは家系図に含まれない人物がいると考えた。そこで、ヘンリーがロジャーを殺害した記事を新聞で大きく報じ、遺産を狙う人物をあぶりだすことにした。
5日後、ロジャーの会社の職員ライオンズが正当な遺産相続人として名乗り出た。ライオンズは、オーストラリアで事故死したロジャーの兄の子供だと出産証明書を持参し、DNA検査も喜んで受けると話した。ロジャーも自分が姪であることを知っていた証拠として、ロジャーとやり取りしたメールを提出した。
「ロジャーが自分を雇ったのは、チャールズ殺害の罪を着せるためだったのかも知れない」とライオンズが話していると、隣の部屋にいたシャーロックがたまらず鼻を鳴らしてしまった。ドアを開けると、そこにはシャーロックやジョーンとともにヘンリーやロジャーがいた。ロジャーのメールは偽造だとバレ、家宅捜索されると言われたライオンズは顔色を変えた。
PTSDの検視官
ラボ爆破事件(第11話「行先は死体安置所」)で好きだったニコールを失った検視官のホーズは、抗不安薬に頼りつつ仕事をこなしていた。
ホーズは証拠のDNAを汚染するミスを犯し、シャーロックは友人としてホーズを心配していた。大丈夫だと言い張っていたホーズだが、やっと自分の状態を受け入れ仕事から離れる決心をした。ホーズはシャーロックと気が合いそうな検視官を選び、シャーロック宅までファイルを届けた。今後のことは何もわからないと話すホーズは、戻ってこなかったときに備えてとシャーロックに握手を求めた。
おちゃのま感想
出番は多くないけど、そこにいつも居る人として存在感のあった検視官のホーズの遺体爆弾後のエピソード。
あの事件は、明るいニコールとデートを申し込んだホーズの冒頭シーンが印象的で、その分衝撃も大きい事件でした。前回もホーズは登場してたけど、シャーロックはその時点でホーズの異変に気づいてたのかも知れませんね。ちょっとした見落としを指摘してた気がします。
シャーロック宅を訪ねたホーズとシャーロックのシーンは、ふたりの間にある強い絆を感じさせました。
ふたりの握手には、感謝とか別れとか、いろんな感情が混ざっていたような気がします。切ないシーンでした。