Episode17 T-Bone and the Iceman
【ざっくりあらすじ】
ベルに交通事故の現場に呼び出されたシャーロックとジョーン。被害者は大学生のアリー・ニューマイヤー。現場の状況からアリーの車が相手の車に突っ込み、事故後アリーは頭を殴られ殺されたことがわかっていた。ベルに被害者の遺体を見ろと言われたシャーロックは、その遺体にがぜん興味を示した。昨夜死亡したはずのアリーの遺体はミイラ化していたのだ。
冷却剤R22
アリーがミイラ化したのは冷却剤R22を浴びた為だった。冷却剤R22は環境汚染の問題で、2020年に製造も販売も全面禁止が決まっており、闇市場での価格が高騰している商品だ。そんなわけでR22を狙った窃盗も多く、シャーロックとジョーンは被害届の出ているスケート場へ向かった。その窃盗事件では、アリーが衝突した車と同じ白いバンが目撃されていた。
スケート場の被害に遭った倉庫のカギ穴を見たシャーロックは、窃盗ではなく管理人の自作自演だと見抜いた。しらばっくれようとした管理人のワイスマンだが、口座情報を調べればすぐにわかるとジョーンに指摘され、横流ししたことを認めた。現金での取引だった為、ワイスマンは相手の名前や素性は知らなかったが、輸送を頼まれた際の住所を手元に残していた。その住所にある倉庫の冷やされた部屋の床に放置されたたくさんの遺体が見つかった。
盗まれた“冷凍遺体”
倉庫の所有者は、“クライオNYC”という将来蘇生が可能になるまで遺体を冷凍保存するという怪しげな会社だった。技術主任レズニックは、バンと一緒に冷凍していた遺体「ジム・サリヴァン」も盗まれたと話した。盗まれたサリヴァンは絞殺された死体で、シャーロックは唯一の他殺体が盗まれた理由こそが事件解決の糸口だと確信し、サリヴァンの事件を調べることにした。
サリヴァン事件の犯人は捕まっておらず、殺害現場にはサイズ11の靴跡が残されていた。第一発見者のヴァンス・フォードは、精神科医だったサリヴァンの診察をこの日初めて受けた人物だった。フォードの証言で描かれた犯人の似顔絵は、古い西部劇に出てきそうな風貌の男だった。その似顔絵を見たジョーンは、どこかで見たと気になるが、どこなのか思い出せない。
フォードを訪ねたジョーンとシャーロックは、彼が余命1ヶ月の白血病の患者だと知った。死に直面しているはずのフォードはあっけらかんとした様子で、サリヴァンの診察を受けようと思ったのは担当医に死について誰かと話せと言われたからだと説明した。取り調べで話したのと全く同じ内容を話すフォードの証言を聞いたシャーロックは、彼は嘘をついていると確信した。
そのフォードの絞殺体が発見された。フォードは自宅でサリヴァンと同じ手口で殺害されていた。そして同時にレズニックと同僚も何者かに襲われたと通報が入った。レズニックたちが話す犯人像は、フォードがサリヴァン殺害事件で証言していた男の人相と一致した。
仮説から犯人逮捕へ
フォードの足裏の死斑を見たシャーロックは、サリヴァン殺しのトリックを見破った。殺害現場に自分のサイズ11の靴跡を残してしまったフォードは、サイズ9のサリヴァンの靴を履いて第一発見者として聴取を受けたのだ。それ以降フォードは警察関係者と会う時は、サイズ9の靴を無理やり履くことになり、死斑に小さいサイズを無理して履いた痕が残されたのだ。
フォードとサリヴァンのDNAを調べると骨髄の型が一致し、ふたりは疎遠のいとこだと判明した。フォードは骨髄の型が一致するサリヴァンを訪ね骨髄の提供を頼んだが、断られ衝動的に殺害したと思われた。一度は死を覚悟したフォードは、サリヴァンの遺体が冷凍保存されていると知り、その骨髄を盗もうとしたのだ。フォードはレズニックたちを雇い遺体を運びだしたが、アリーの衝突事故が起こり、事件が発覚してしまったのだ。フォード殺害犯は、彼の自白を恐れたレズニックたちだ。レズニックと同僚が何者かに襲われたのは自作自演に違いなかった。
ジョーンがやっと気になっていたフォードが証言した犯人が“誰”なのかを思い出した。それは、1966年に亡くなっている昔の西部劇の俳優ジョン・レイノルズだった。似顔絵ではなくレイノルズの写真を見せられたレズニックは、この男が犯人で間違いないと「100%確実だ」と証言した。
フォードから犯人像を聞かされていたレズニックは、フォードがやったように架空の人物に罪を着せるつもりだった。ジョーンの記憶で証言が嘘だと証明されたレイノルズは、入院中の仲間から聴取をすると席を立ったベル刑事を引き留め、自供を始めた。
ジョーンの母
シャーロックは、ジョーンの母メアリーの認知力が低下していると気づいていた。ジョーンも思い当たるふしがあり、母に治療を受けさせる決心をした。しかし、認知症を疑われたメアリーは電話に出ず、ジョーンを困らせた。シャーロックは「お母さんのケアをひとりで背負込むことはない」とジョーンに言い、いつの間にかメアリーを説得し治療を受ける決心をさせていた。
おちゃのま感想
一夜でミイラ化した遺体、遺体冷凍保存会社、消えた冷凍遺体、余命わずかな容疑者・・・。
すごーく前半部分は興味をそそる内容の事件でした。
しかし、結局逮捕された犯人はお金目当ての男。何かデッカイ謎を期待したわりには小物が犯人だったエピソード。内容は面白かったけれど・・・ちと物足りない。
ジョーンは、今度は母親の事で気をもみそうな展開になってきました。気苦労が絶えないジョーンです。