Episode15 When Your Number’s Up
【ざっくりあらすじ】
エースウェイ航空1059便墜落事故の遺族を狙った連続殺人事件が起きた。犯人は被害者に現金を持たせ、「金持ちほど価値がある世は不平等だ」という内容に数式を添えたメッセージを残していた。
シュレイダーの計算式
犯人の残した数式もメッセージもアーレン・シュレイダーという弁護士に由来しているもので、数式は「民事で用いられる賠償金の計算式」だとわかった。シュレイダーは、シャーロック曰く「いわゆる“血の金”専門の弁護士」で、企業側に立ち最低限の賠償額を算定し遺族を黙らせる仕事をしていた。シュレイダーを恨む人間は多く、シャーロックも不快感を隠そうとしなかった。
エースウェイ航空はシュレイダーに仕事をオファーし、このシュレイダー式で賠償金を算出する予定だった。シュレイダー式を用いれば、犠牲者全員に同じ賠償額を支払う必要はなく、かなりの経費の削減ができる。しかし今回の事件で世間から注目され、全員同額の賠償に切り替えることになりそうだった。全員同額になると、数十万ドル程度の賠償予定だった遺族に500万ドルほど支払われるようになる。それを聞いたシャーロックは、容疑者はこの受取額が増える遺族の中にいるかも知れないとグレグソンたちに話した。
未遂の被害者
また遺族を狙った事件が起きた。今回は未遂に終わり、狙われたデイナ・パウエルは無事だった。デイナは夫を事故で亡くし、広い邸宅に一人暮らしの女性だ。犯人が庭へ侵入し発砲した後、すぐにデイナは警報ボタンを押したと話し、警察は敷地内に鳴り響いた警報音で犯人は逃げ出したのだろうと推測していた。
庭に残された犯人の靴跡を見たシャーロックは、犯人が足を引きずっていたと見抜いた。シャーロックは、足の悪い犯人がなぜ他の場所から出入りせず、フェンスをよじ登る事を選択したのか疑問を持った。そして、被害者を至近距離で撃ち殺していた犯人が、今回は姿を見られまいとしている点にもひっかかりを感じていた。
シャーロックたちが一貫しない犯人像に頭を悩ませていると、デイナが「成功者だった夫の賠償金をたくさんもらって何が悪いの」とTVのインタビューに答える映像が流された。このデイナの発言は視聴者に不快感を持たせ、エースウェイ航空は賠償金の支払いを定額に決定することになった。
デイナが殺された被害者と、遺族の会の知り合いだった事が判明した。シャーロックはデイナを疑わしく思っていたが、定額になるともらえる賠償金が減るはずのデイナが事件を起こす動機がわからない。
デイナの夫を検索したジョーンは、その画像から夫は悪性脳腫瘍だったと気づいた。デイナ宅の寝室からは、庭についていた犯人の足跡と一致する靴も発見された。そして夫は凶器に使われた銃を購入し、安楽死を州法で認めるバーモント州への移住を計画していたことが判明した。もしシュレイダー式で賠償額が算出されたら、死期が近かったデイナの夫の賠償額は少なくなるはずだった。
凶器の銃はまだ見つかってなかったが、夫の銃が犯行に使われたことで、デイナの有罪は確実だった。
同居の再開
ジョーンはシャーロックの家の地下室を自分のスペースに決め、今まで通り仕事と私生活のバランスをとることにした。
探偵業に人生を捧げると言ってみたり、身辺の物を処分したり、アンドリューの事件後決断を急ぎすぎるジョーンを心配していたシャーロックは、自分らしさを取り戻しつつあるジョーンの様子に安心した表情を浮かべていた。
おちゃのま感想
デイナ役の女優さんの嫌な感じの演技が見事でした。
夫の死を悲しむ姿はいっさいなく“金”だけが全てってトコ。表情だけでなく口調や声のトーンにも表れてました。
シャーロックは、探偵業に人生を捧げると決め身の回りの品々を整理するジョーンを心配してました。ジョーンの為に、今までジョーンが住んでた部屋を確保しておいたり、何かと気を使ってるシャーロックでした。
ジョーンの事が心配すぎるのか(キティのこともあったし)、このところシャーロックの突飛な奇人ぶりはなりを潜めてます。そこがわたしのツボなんだけど・・・。