Episode12 Cornelius Ruck (No. 155)
【ざっくりあらすじ】
手箱の買い手と会うため、レッドと仲間たちはバルト海の孤島に集う。“参加は1人”と決められた会合に付き添えないデンベは心配するが、島でレッドを出迎えた執事のアーサーは「警備は万全」と請け合った。
6人の仲間たち
今回の主催者であるカサンドラは、3年前、手箱を盗む計画をレッドに持ち掛けた首謀者だ。カサンドラはレッドがかつて愛した女性だった。リズがトムとの結婚を決めたことで、トムの正体を知っていたレッドはリズを守る義務を果たすため、事情を語ることなくカサンドラのもとを去ったのだ。
手箱の持ち主は、レッドとカサンドラのほかに、セキュリティ専門家のアニカ、錠前破りの達人マーゴ、爆弾屋マハムード、銃を持つ悪党ジョーコの6人だ。6人のうち、ひとりだけ分配率が少ないジョーコは「取り分を同じにしなきゃ同意しない」と言い出した。不満を訴えるジョーコを止めたレッドは、取り分が少ない理由は後から入ったからで、貢献を低く見ているからじゃないと説明する。「銃を持つ悪党こそ仕事の中心で、みんなが頼りにする存在だ」とレッドに敬意を示されたジョーコは不満を飲み込み、手箱を売ることに同意した。
カサンドラのウソ
それぞれの手箱を持ち寄る中、マーゴが急死する。「明朝7時に集合」と決め、動揺する仲間たちを部屋に帰らせたレッドは信頼するカサンドラとともにマーゴの遺体を解剖し、抗凝固薬による殺人だと断定した。
翌朝、集合時間に現れなかったジョーコが部屋で殺されており、さらにアニカも殺される。島に仲間を呼んだカサンドラが仕組んだと思い込んだマハムードは止めるレッドに銃口を向け、レッドはマハムードを射殺した。
レッドに疑いの目を向けられたカサンドラは「私は殺してない」と訴え、今回の商談の経緯を打ち明ける。取引相手は“ビザンチン芸術に心酔しているコレクター”ではなく、FBIだった。不覚にもFBIの潜入捜査官に逮捕されたカサンドラは、手箱を集めて引き渡せば仲間全員逮捕しないという司法取引をしたのだ。
ふたりだけの攻防
カサンドラによると、FBIが手箱を捜す理由は、考古学者としてトルコに潜入していたCIAのスパイが本国へ送るため仕込んだ『トルコ政府内にいるアメリカ工作員のリスト』が隠されているからだ。トルコに捕まったスパイは殺される前にリストの存在を吐き、工作員を守りたいCIAはカサンドラに目をつけたのだ。
カサンドラの話を聞いたレッドは交渉相手はCIAではないと考え、事情を知るため手箱を調べる。案の定、手箱に隠されたマイクロドットのリストはアメリカ政府内にいるトルコ工作員のものだった。買い手はトルコだと確信したレッドは、執事を名乗ったアーサーは、“猟犬”の異名を持つ“コーネリアス・ラック”だと気が付いた。
「降伏すれば命は助けてやる」と言うラックの提案を断ったレッドに、カサンドラは「手箱を持って島を出ましょう」とキスをする。乏しい武器を信頼とアイディアで補ったふたりはラックの部隊を倒した。
レッドとカサンドラ
アメリカへ戻ったレッドはトルコ工作員の情報をチームへ渡し、手箱は知人の故買屋シンシアに買い取ってもらった。この週末カサンドラと過ごしたことで、レッドはリズへの義務は果たしたと悟り、ふたりにとって思い出深い南仏にカサンドラを誘った。
カサンドラと旅立つ前に、レッドは約束していたアグネスのバレエの発表会を舞台袖から見守った。目を細めるレッドの姿を見たカサンドラは「最初は義務で関わったとしても、今は愛してるから関わってる」と、レッドの本音を言い当てる。レッドは、「1人で行くわ」と背を向けたカサンドラを追えなかった。
寂しげに女性を見送るレッドの事情を察したリズは「前を向いて進め」と、以前レッドが言ってくれた言葉を贈る。ふと思い直したリズは「新しい出会いがなくてもお互いがいるわ」と声をかけた。
おちゃのま感想
今回のレッドを見ていると、リズのために犠牲にしたものの大きさを痛感します。レッドが“レイモンド・レディントン”になる前の人生はわかりませんが、人生の大半をリズに費やしてますよね。それを義務と言い切るなんて、いったいどういう事情があるんでしょう。リズを守る約束をカタリーナとしたのは、レッドじゃなくイリヤですもんね~。
そうしちゃうとドラマが終わっちゃうんだけど、レッドにはカサンドラを追いかけてもらいたかったです。リズに死刑に追い込まれた時点で“義務”は終わってるんじゃないかなと思うんですよ。しかも、今のリズの心にはカタリーナがいるもの。レッドのリズへの献身を思うと、切なくなります。